14 Rain's Hand (Day 1213)



思い起こせばそれは結構昔のコトだ。 そう、大陸へ出張に行くちょい前くらいだったような気がする。



Vvardenfell島に吹き荒れていた病気の根元を首尾良く断ち切ったのはいいが、だからと言っていきなり島中が平和平穏ノホホンホンになったワケではなかった。 っていうか赤き山々での俺様の死闘のコトはあっと言う間に世間に知れ渡り、あっと言う間に人々に忘れ去られてしまったのである。

てなワケで、街から一歩出れば、凶暴な野良Ashlanderが野営していたり、大変切れ味の良さそうな牙を口の中にゾロリと揃えた魔物が徘徊していたり、とあいかわらずな風景がひろがりまくりなのだが、まぁそうでなくっちゃ俺様もツマンナイシ〜、なわけなので、そのころの俺様は武者修行も兼ねて各地の怪しげな洞窟や神殿や遺跡を探検して回っていたのだ。 うん、もちろん薬草採取も兼ねてっていうかそれがまったくのメインだったりもするんだが。





そして、その日の探検先はDushariranという遺跡だった。 ただ、別に大したモノも無かったし、Orcのカップルが先に来て調査(?)していたし、ってことで、俺様は早々に切り上げてBalmoraへ帰るかな〜、という気分になっていた。



遺跡の中をウロウロしているウチにすっかり夜は更けていたし、小雨も降りはじめていた。 コリャ引き上げ時だな。

Orcのオッチャンたちまたね〜。 俺様はお先に引き上げるヨ〜。




このDushariran遺跡はWest Gash地方を縦断する街道のすぐそばにある。 街道をまっすぐ下ってAld'ruhnにでも出よっかな〜とノンキに道を行く俺様の視界に、雨の中佇む人影が見えてきた。




・・・・・・・・・・とりあえずパンイチではないよな(指差し確認)











結構物騒な街道外れに佇むその人間族の男は、Lucan Ostoriusというご立派な名前の商人さんだった。 なんか居場所と言い、ちょっとうさんくさい感じだが、まぁ自分で商人と言うのだから商人なのだろう。

んで、何やってんの、こんなトコで。



Damn! Where is that guy? He made me promise to meet me here with these goods, and now he's late. I'm a busy man! You wouldn't by any chance be heading toward Ald'ruhn, would you? Maybe you could do me a favor.

いやもうとんでもねーよ。 ったくあの野郎はどこにいやがるんだ。 ここで待ち合わせてブツの引き渡しだっつーのに来やしねぇ。 こっちだって暇してるワケじゃねぇのによ。 おぅ、そういや兄さん、そっちに向かってるってことはAld'ruhnに行くんじゃねーのかい? ちっと頼まれ事をしてくれる気はないかい?



んー、まぁAld'ruhnなら確かに行こうと思ってたけど、頼み事って何ヨ? 怪しい事じゃねーだろな?



Here's the deal: I've got to get these weapons to Yak gro-Skandar in Ald'ruhn as quickly as possible. He was supposed to meet me here, but hasn't shown up yet. I suppose I must have missed him. If you're willing to deliver these to him at the Rat in the Pot, I'd be grateful, and I figure I could throw 100 septims your way. Of course, I'd ask you to swear an oath to Zenithar...may He grace us with lots of loot, that you'd deliver my goods, or, um, face his heavenly wrath.

いや、大した事じゃねぇさ。 ほらコレ、この武器をAld'ruhnにいるYak gro-Skandarになるたけ早く届けなくちゃいけないって寸法さ。 ったくここで待ち合わせるって事だったのに・・・。 多分どっかですれ違っちまったんだろうなぁ・・・。 奴がもうAld'ruhnに戻ってるなら、Rat in the Potにいるはずだ。 ほら、100 septimやるから頼まれてくれよ。 そうそう、もちろんZenitharには誓ってもらわないとな。 Zenithar様のご加護があってこそ、こんだけモンが盗ってこ・・・いや何でもない。 とにかく神様への誓いってのは守らないとバチ当たるって言うしな。








Zenithar・・・

Zenithar・・・・・

Zenithar・・・・・・・

Zenithar〜!!!


てか誰が忘れようかそのク○っ○れ<自主規制>! 小さな親切心でシャツ5枚の配達を頼まれたばっかりに、俺様の「初めてのAld'ruhn」がどれだけミソをつけるハメになったか!! あぁもう、その名前を聞くとAld'ruhn中の商人さんたちににこやかにシカトされまくった日々が自動的に走馬燈フラッシュバックして胃がギリギリと痛くなるのだ、俺様は!!!


で、Zenitharがナニをドウしたって?ああ? と眉間にビリビリと怒りを貯めてほとんど尋問になってしまった俺様だが、丸腰の人間がこの夜更けにAld'ruhnまで行くのもそりゃまーカワイソウだ。 ま、もののついでだし、今回こそはカラクリがわかってるからZenithar神にコケにされまくって無駄な時間を使うこともなかろう。 
それに、Rat in the Potなら場所もよく知ってる。 居場所さえわかっていれば・・・。




そう考えた俺様は、「もうZenitharがらみの話にかかわるのはよしとこうヨ」という背後霊の忠告を無視してLucanの荷物を受け取った。 どんな大事なシロモノかと思いきや、中身はどうみても新品ではない武器がガラガラと入っているという怪しい荷物だった。 うーん・・・そこはかとなく盗品臭ェのだが・・・。


ま、いっか。



「売ってこい」とか言われたならともかく、頼まれたのは只の配達だ。 余計な詮索はナシナシ、と俺様はその荷物を抱えなおし、Lucanに別れを告げてAld'ruhnへの街道を再び辿り始めたのであった。




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