7 Mid Year (Day 599) 

 



買い物がてら、ふらりとGnisisに寄った時のことだ。 ふと川っぺりを見ると、なんと人が水に浸かっているではないか。 ちなみに結構な夜中。 泳ぐにはちと奇妙な時間帯だ。

岩の間に足でも挟まって難儀しているのかと思い、脅かさないように近づいてみる。











Hainub stole my pants!
Hainabにパンツを盗まれた!






は・は・・はは・はい?


いきなりこちらの顔が赤くなってしまうような刺激的な宣言である。 ってことはその水面下では・・・・モゴモゴ


俺様は紳士である。 その疑惑の水面下に視線が行かないように、死んでも目線が下に行っちゃわないように鉄の意志を振り絞って相手、Hentusさんの顔面に視線を固定した。


・・・・・・・で、ぱ・ぱ・ぱ・ぱ・ぱ・ぱんつがどうされましたと?



I was taking a bath and Hainab Lasamsi stole my pants. Maybe you could talk to him and get my pants back.
ここで水浴びしていたらHainab Lasamsiにパンツを盗まれたの! 悪いけど、あんたちょっと行って取り返してきてもらえない?



こんな町からわりかし丸見えな場所で水浴びですか・・・・・。 いやその、早速行って取り返してきて差し上げます。


俺様は大慌てで水から上がると、その不届き者を探しにGnisisの町へ入った。









幸いにして、その不届き者 Hainab Lasamsilは宿無し風来坊ではなく、ちゃんと家を持っていたのですぐに見つけることができた。  もちろんこんな狼藉者はひさしぶりにサックリとやってしまってもよかったのだが、同じGnisisの中でパンツをネタに殺し合いにまでなってしまったら、Hentusさんもバツが悪かろう。 ここは低姿勢にご機嫌をとりつつ頼んでみることにした。 ちくしょー、これもパンツのためだ。 うりゃうりゃうりゃっ !!



If you wanted the pants that bad, why didn't you say so? Here, take 'em. It was a stupid joke anyway.
なんだ、あいつのパンツを取りに来たのかい? 早くそう言えばよかったのによ。 ほら、これだよ。 持っていってやんな。 ちょっと悪ふざけしてみただけだよ。



悪ふざけ1つでパンツ泥棒されてはかなわないんだがな・・・。 まぁいいか、と問題のパンツを受け取ると、


Pants(長ズボン)


ああ〜。 パンツってこっちのパンツかよ。 まぁこっちが無くてはホンモノのパンツが丸見えになるから、履いてなかったらハズカシイという気持ちも分からないではない。 長いこと水に浸かって困っているだろうHentusの所に早速届けてやる。









Hentusさんお待たせしました。 ズボンをお持ちしました。 ささ、ドウゾ。 俺様あっち向いてますから。










You got my pants back?
どうもありがとう



ゴソゴソ(着替え)

ザブザブ(水中歩行)


のっしのっしのっし(地上歩行)




・・・・のっしのっし?!?!






野郎じゃねぇかコノヤロゥ!!






確かにHentusは自分が女だなんてヒトコトも言ってない。 他種族の性別がちゃんと見分けらんない俺様が勘違いしたのが全面的に悪いのだろう。 でも、ズボンが無いくらいで水からあがれないなんてナンダヨソリャ〜。 

そんな根性無しは右尻と左尻がふやけて1つに合体するまででも水に浸かっていればよいのだ。




久しぶりにドジこいた気分の俺様は、なんとなくやるせない思いを味わいながら夜も更けたGnsisを後にした。




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