7 Rain's Hand (Day 538) 

 




Sadrith Moraについた俺様は、Caiusのオヤジから紹介された、Tel Fyrに詳しいという人物、Sadrith MoraファイターズギルドのSondryn Irathiに、タワーの詳しい位置を聞くことができた。 まぁ地図見りゃ分かる程度の情報だったが。

天気が悪いと見えづらいという事も教えてもらったので、なるべくタワーと同じくらいと思われる高さをとって空中をヘコヘコと歩く。



他人様を脅かさないように被ったヘルムが暑苦しいが、ここは我慢するしかない。

ほどなくタワーは見つかり、噂の「階段の無い」タワーの中をヘロヘロと飛んで、無事Divayth Fyrに面会することができた。












タワーの中には、このDivaythさんの「奥さん・・・みたいなの」を名乗る人が

山ほど


いたため、面会前から俺様の不安は頂点を極めていたが、会ってみると案の定そこはかとなくマッドな感じのするじいさんであった。

しかし、このじいさんが今の俺様にとっては唯一無二の希望である。 機嫌を損ねてしまったら一大事。

慎重に交渉しないとヤバヤバだ。

さて、どうしたもんか。


ちょっと考え・・・




Say. That's an interesting Dwemer piece you
have there. What can you tell me about it?

おや、君が持っているのはDwemerの工芸品じゃないかね?
それをいったいどうするのかね?




・・・・る必要もなく、俺様が持っているDwemerをめざとく見つけたDivaythさんはウキウキと話しかけてきた。 これを持たせてくれたCaiusの判断は正しかったということだ。 ちょっと見直したぞ、オヤジ。

さてこれをどうする?




Offer the Dwemer artifact as a gift
贈り物として差し出す

Politely show him the piece, then put it away.
ちらりと見せてから鞄にしまう








「あのー、つまらないものなんですが、これ、お近づきのしるしに・・・」

俺様は、さっそく工芸品を差し出した。 こんなものでよかったら、なんだったら遺跡から持ちきれないほど背負ってきてもいいくらいだ。



A gift? For me? How thoughtful. And shrewd. I suppose you know I am a collector. And that such a gift is bound to please me. I congratulate you on your diplomatic skills. So, why have you tried to butter me up? Come to consult the great Divayth Fyr? You have the divine disease? Want to plunder the dungeon? Or leer at my daughters?

贈り物? 私にかね?これは素晴らしい、なんと気の利くことだ。 私がこれのコレクションをしていると知っているのかね? うむ、これは良い物だよ。  このような良い物をくれるということは、私に頼み事をしたいのじゃないのかね? 何か相談事があるのかね? それとも神のあたえたもうた病気でもにかかったかね? いやいや、地下のダンジョンを探索してみたいのかね? いやいやそれとも、私の娘達に惚れたのかね?



うぉおおおお、俺様にもしゃべらせてください。 

Divaythさんめちゃめちゃマシンガントークである。 俺様来訪の理由を勝手に想像してしゃべりたててくる。 よくこれだけ一息で言えるものだ。 

しかし、見かけはアレだが、なかなかいい人のようで、俺様ちょっと安心である。

いやその、Divaythさん、それのどれでもなくって、俺様Corprusにかかっちまってるんですが、何とかならないもんでしょーかね? っていうか何とかしてください。 頼んます。



How interesting. Did you know that corprus makes you immune to disease? Have you ever heard of the prophecies of the Nerevarine? Ashlanders say the Nerevarine will be immune to disease. I've always thought, "Maybe I have the Nerevarine down in my Corprusarium, and I don't even know it." Hah. Hah. The Nerevarine is a fat, disgusting corprus monster, and mad as a marsh rat. Wouldn't that be funny?

ふ〜む。 それは興味深いことだな。 Corprusに罹った者は、他のすべての病気に対する免疫が出来ると知っているかね? 免疫といえば、Nerevarineの予言について聞いたことがないかね? Ashlanderの伝説だよ。 伝説の中のNerevarも病気に免疫があったそうだ。 うむむ。私の考えなんだがね、下の隔離施設にひょっとしたらNerevarineの者が紛れ込んでいるじゃないかな、なんて思うことがあるんだよ。 私にはそれがわからないだけでね。 ハハハハ。 伝説のNerevarineがぶよぶよに膨れた気味の悪い、ドブネズミより頭のイカレたCorprusの怪物だったかもしれないなんて、こりゃまた皮肉なことだとは思わないのかね? 



・・・・・・・・・・・・そですね(全然思わね〜ッスよ!!!)


自分の施設にいるCorprusの患者と伝説のNerevarの無敵性に奇妙な共通点を見つけてご満悦のDivaythさんだが、お察しの通りこのアメリカンジョークは今の俺様にはちっともウケたいシロモノではなかった。 このじいさんの言うとおりに予言が的中しちゃったら、俺様には

伝説の英雄Nerevarineネコゾンビ


という不愉快極まりない運命がもれなく待ちかまえてるってことになりかねないからだ。 前者だけでもけっこうイヤなのに、ゾンビと掛け持ちになんかなってしまったら、もう俺様の未来は真っ暗だ。 なんで俺様にだけそんな不幸の玉突き事故が襲いかからなきゃいけないのだ!?(半泣)




俺様はできるだけ「情けな顔」にならないように注意しながらも、実は自分がNerevarineじゃないかと言われちゃっていること、だから病気が治らないとマジにシャレにならないことをトツトツと説明した。 



That's a fascinating story you tell. So. You might be the Nerevarine. Means nothing, of course. Corprus victims have all sorts of delusions. But... let me think...

それはまたおもしろい話だねぇ。 ふーむ、君がNerevarineの伝説の・・・・・なんてわけはないね。 Corprusの患者は皆、訳の分からない妄想を持つものだよ。  いやいや、しかし待てよ・・・。



さすがにCorprusの患者を扱いなれているだけあるというか・・・。 俺様の発言は脳にCorprusが回ってしまった「可哀想な人」の妄想だと受け取られたらしい。 実はもう俺様もそんな気がしてきました(号泣)。 

実はBalmoraのCaiusんちにでも寝ていて、変なタワーの変なじじいに会う夢でも見ているのかも・・・。



I've got a potion. In theory, it should cure corprus. Doesn't work, though. Probably kill you. Killed all my test subjects. But you've got nothing to lose. Before I give it to you, I want you to look around below in the Corprusarium. Know what's in store if you don't take the potion. And while you're there, I want you to pick up a pair of boots from a victim, calls himself Yagrum Bagarn. My oldest patient. Handy fellow, fixes things for me. Bring the boots back, and then you can have the potion.

実はだね。 薬があるのだよ。 Corprusに効くように作ったつもりなんだが・・・。 不思議なことに効かないんだよね。 飲んだら多分死ぬよ。 今まで飲ませた患者はみんな死んじゃったし。 でも飲まないとどうせ死ぬんだから飲んでみたらどうかね? そうそう、飲むかどうか決めるまえに、地下の隔離施設を見てくるといい。 飲まないとどうなるかという実例がいっぱいいるからね。 ああ、どうせ地下にいくならついでにYagrum Bagarnのところへよって、私の靴を取ってきておくれ。 Bagarnも患者なのだが、靴を直していてくれてるはずなのだよ。 それを持って帰ってきたら薬をあげるよ。



なんだか、Corprusに罹ったんならもうどうせ先は長くないんだから何がどうなってもいいだろ〜?という投げやりさ満点である。 しかもお使いまで頼まれちゃって、なんて可哀想な俺様。


しかし、ここより他に道はない。

俺様はしょんぼりと耳としっぽをたれたまま、地下に向かうことにした。









地下まで降りていくと、隔離施設そのものはすぐに見つかった。 入り口の前に番兵が立っている。



Do not harm the inmates. I will not tolerate you adding to their suffering. Indeed, they are brutal and ferocious, and they will kill you if they can. But you are their guests, and you may not harm them, or you will answer to me.

いいかね、絶対に患者を傷つけないように気を付けてくれたまえ。 絶対にだ。 患者は残忍で凶暴性を持っている。 君に攻撃し、殺そうとするだろう。 だが、ここは彼らのための施設で、君はただの訪問者だ。 彼らに反撃することはこの私が許さないから心しておきたまえ。



こう釘をさされてる最中にも、番兵さんの肩越しに、ゾンビな人が大集合しつつあるのが見える。
もうやる気マンマン状態である。 もちろん何をやる気かと言えば、俺様にガップリ噛みついたりグォッシリすり寄ったりギッチョリ肉を掴みちぎりたいのに違いない。 

こえ〜よぉ・・・・・・・・・。


しかし、そのゾンビな光景はまた、俺様に勇気も与えた。 ここを何としてでも突っ切らなければ、俺様もほどなくあのゾンビの一員である。 勇気と言うよりはむしろヤケクソだが、それでも扉を開けて中に入るエネルギーは充填完了だ。 




あ゙ゔ〜ぁ゙(殴)

ギャーっ

あ゙ゔ〜ぁ゙(蹴)

ギャーーっ


あ゙ゔ〜ぁ゙(掴)

ギャーーーっ

あ゙ゔ〜ぁ゙(毟)

ギャーーーーっ





とととととにかく抵抗してはダメなのだ。 反撃したらダメなのだ。 絶対にダメなのだ。 俺様はついうっかり反射で攻撃しないように両手でベルトを握り、耳をビシっと頭にくっつけて患者さん達の間を駆け抜けた。

振り上げてくる拳を、毛皮を毟ってくる手をかいくぐり、ボロ雑巾のようになりながらも、なんとか施設の中を進む。



ほどなく、肉のかたまりみたいな人物(?)に出会うことができた。 こいつこそ靴を持っているというYagrumだ。 ぶよんぶよんだが、これは別にCorprusの症状じゃなくて元からの

肥満


じゃないのか? 

って、まぁいいか。 靴屋がデブだろうがヤセだろうが俺様には関係ナッスィング。

ねね、靴取りに来たんだけど、修理できてる? 持ってこいって言われたんだけど。








Lord Fyr obtained these enchanted Dwemer boots from an unfortunate thief. And, given the quality of their craftsmanship, little wonder the fellow came a bad end. But I can do nothing for them. The fundamental enchantment is flawed. Might as well start over again... if such a pair of boots could still be fashioned in these benighted latter days. But I have done my best. Take them to Lord Fyr, with my sincere apologies.

ああ、Fyr卿が不運な泥棒から手に入れたDwemerの靴だろう? 持ち主の技能を高める力を持った靴さ。 持っていた泥棒があんな事になったのはちょっと不思議だがね。 残念ながら、込められていた魔法を全て修復することは出来なかったよ。 最初から作り直せるならもしかして・・・。 だけど今の後退しきった文明では、こんな靴はもう出来ないだろうよ。 今ここでできることは全部やったから、Fyr卿にもそう伝えてくれ。 直せなくてすまないとね。



ちょっと待ったぁ!!! あんた今、Dwemerの靴を直したとかなんとか言わなかった? もしかして、消えたDwarfの古代文明について何か知ってるのか?



Hmm.... I cannot say what happened. I was not there to observe. I was in an Outer Realm at the time, and when I came back, my people were gone. I left Red Mountain, wandering Tamriel for years, searching our deserted colonies, looking for a survivor or an explanation. Then, a long, long time ago, I returned to Red Mountain, still looking for answers. Instead, I found corprus disease, and I have been here ever since. I have theories, if you are interested.

いやぁ・・・何が起こったのかは知らないよ。 その時ちょうど国外に出かけていたんでね。 戻ってきたら、みんないなくなってしまっていたよ。 Red Mountainでひとりぼっちさ。 その後はTamrielを何年もさまよったよ。 だけど見つかったのは無人になった町だけさ。 誰か生き残っていないか、何が起こったのか手がかりがないか、ずいぶんと探したんだがねぇ。 しょうがないのでRed Mountainに戻ってきたのだが、それもずいぶんと昔の話だよ。 結局Red Mountainで得たものといえば、この病だけさ。 それ以来ここにいるというわけでね。 ああ、仮説はあるのだよ。 もし君が聞きたければ・・・



早くCorprusを何とかしないと脳味噌が腐れて何を聞いても耳からモロモロと漏れ出てしまうようになるのでは無いかという心配もあったが、Dwemer文明の話を2、3分くらい聞いてもきっと大丈夫だろう。

俺様は、各地に点在するDwemer遺跡を、そしてその中の機械仕掛けの生き物を残したはずの、とんでもない文明について聞いてみたかった。



Lord Kagrenac, the foremost arcane philosopher and magecrafter of my era, devised tools to shape mythopoeic forces, intending to transcend the limits of Dwemer mortality. However, in reviewing his formulae, some logicians argued that side effects were unpredictable, and errors might be catastrophic. I think Kagrenac might have succeeded in granting our race eternal life, with unforeseen consequences -- such as wholesale displacement to an Outer Realm. Or he may have erred, and utterly destroyed our race.

Kagrenac卿というのがいてね。 神秘哲学の第一人者であり、その当時の最高の魔導技術者だったのだよ。 Kagrenac卿は数々の道具を発明し、神秘的な力を扱う事にとても長けていた。 そして不死の力を生み出そうとしていたらしい。 その内容を知っていた者の中には、どんな結果になるかわからないからやめた方がいいと忠告した者もいたよ。 生命のような自然の偉大な摂理に立ち向かうのなら、きっとその代償も大きかろうとね。 私は・・・Kagrenac卿は成功したのではないかと思っているよ。 私の一族は永遠の命を授かったのだろう。 ただ、同時に何か別のことも起きてしまったのではないかと・・・。 私たちの国を、どこか別の空間へ転移させるような、何かが。  

・・・・・・・・・それとも、ただ失敗してしまったのかな。
私の家族も国も、すべて吹き飛ばしてしまうほど盛大に・・・。








なんてこった・・・。
俺様の前にいるこのYagrumは、古代の超文明を築いたDwemer王国の生き残りなのだ。

おそらくは、たった一人の。 






Edwinnaをここに連れてくることができれば、この話を聞かせてやれれば、どんなに喜ぶことか。 もちろん即座にCorprusが移るだろうからホントに連れてくることはできないのだが。




俺様は、思ってもいないところで覗いてしまった歴史の一部分をしっかりと心に書き付けると、それでもお使いはすませなくちゃいけないので、靴をしっかりと握りしめ、Yagrumに別れを告げた。


帰りももちろん患者さんたちにボコボコされたが、Yagrumを探しながら歩いた時とはちがい、場所の分かっている出口へまっすぐ向かうだけなのだ。 フルスピードで走り抜け、難なく番兵さんの横にゴールすることができた。




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