18 Last Seed (Day 3)

 
 

早朝から目が覚めてしまった。 空は快晴の兆しを見せて満点の星をたたえている。

今日は大都会へ向かうのだ。 しっかりと身支度を整え、報奨金やらパチった金やらをしっかりと握りしめ、朝一番の便へ乗るために「Silt Strider」の乗り場へ向かう。
・・・まぁ、24時間やってるんだけどな。 気持ちの問題だ。

Silt Striderっていうのは初日に船着き場から見た「悪夢のように大きなネコノミ」という表現がピッタリの生き物だ。 こいつがユラユラと目的地まで運んでくれるらしい。
見ていると全身が痒くなるか体中の血が吸われそうなイヤな気分になるが、そこは我慢して乗り場の姉さんに話しかける。 行き先は色々あるみたいだ。

Vivecという街への便もあるらしい。Vivecってのは確かここらを納める領主さまの名前だ。 領主の名前が付いているくらいだから大都会に違いない。 
しかも運賃が一番安いし・・・ってことで行き先はVivecに決定。

チャリ〜ンと片道切符を買って乗り込み、夜明けには憧れの大都会(予想)Vivecに無事到着した。

・・・・・・・・・・・・・・・・何にも無いぞ?





よく見ると遠くに建物が見える。

びっくりさせんなよ、も〜。
と一人勘違いにちょっと恥ずかしい思いをしながら、そちらに向かって歩き出す。

朝食抜きで出てきたので、道ばたのComBerryをいくつかもぎ取って食べる。

あんまウマくないけど水分補給にもなってなかなかだ。 元気良く建物をめざし続ける。





見ると船着き場まである。
さすが大都会。交通の拠点だな。
一走りして行き先をチェックする。

行き先はHla Oad、Ebonheartなど海沿いの街だ(あたりまえか)。
Azura's Coast方面への船も出ているようなので地図に書き込んでおく。

冒険者は情報が命なのだ。



ドーーーーーーーーーーン


で、でっけェ〜〜。
さすが大都会Vivec(確信)。

見上げると首が痛くなるほど巨大建造物が俺様を威圧する。






入り口の階段にたどり着いても建物の入り口は遙か向こう。

すでにちょっとお疲れモードの俺様だが、どうしても買いたいものがあるので覚悟を決めて突き進むことにする。





建物に入ってすぐ、また船着き場がある。

聞いてみるとなんとVivecの中専用の交通機関(小舟)だということで俺様三度驚愕。

さすが大都会・・・っていうか船で行き来しなくてはならないほど広いということがわかってしまい、さらにお疲れモードの俺様。

再度気を取り直して建物の中にはいることにする。



最上階でメイジギルドが見つかり、RecallとMarkの呪文が手に入る。
うっほ〜。これはラッキー。 これでダンジョン最深部で道に迷っても何とか帰ってこれるわけだ。

しかしルーンストーンもムーンストーンも(もしくはそんな感じのもの)見あたらない。
Markの呪文の取説をもう一度熟読してみる。

Mark on Self

これはもしやと思いつつ、一端外に出てテラスの真ん中でMarkをする。
一応呪文は発動しているらしい。 そこからテラスの端まで行きRecall詠唱。

ヒショ〜〜ン。


結果:さっき立っていたテラスの真ん中に移動しました。


つまりこのMarkとRecallは、某ブリタニアのMarkとRecallとは似て非なるものだということが判明。 というか、名前は違うが要はBindとGateである。 

一カ所にしかBindいやMarkできない以上場所は慎重に選ばないといけないだろう。

南カラナの橋にBindしてグリフォンにタコ殴り→裸ゲート→また殴られる という恐怖のループがよみがえる。  いやなに、前世の記憶だ。




他にも色々メイジギルドで買い物はしたが、俺様の目当てとする店がなかなか見つからない。

構造がイマイチわからず迷宮のように感じられるVivecの中を走り回ること数時間(マジで)。 地下とおぼしき場所でやっとその店は見つかった。

そう洋服屋である。

いつまでも死人のお下がりなんてイヤだからな!


さて、店にはいるといかにも「金使うぜ!」というおのぼりさん臭をプンプンさせているに違いない俺様を見て店員がにこやかに最高級ローブを勧めてきた。






・・・・・・・・・・このうえもなく似合いません(号泣)。




何回か試着をくりかえし、ハデでなく、渋めの色で、肩当てや盾の色ともマッチして、しかも俺様の毛皮(灰色と茶色)ともハ〜モニ〜を奏でてくれる、という一品を探す。

結果はコレ。


生地が2枚重ねになっているので、裾部分で2段になっていてキレイなこと。 飾りステッチが前にも後ろにもついていて無駄にオサレなところが俺様の心をがっちりキャッチした。
(木の枝にはひっかりそうだが)

これでもう、あのいかにもマッドサイエンティストな配色のローブともおさらばだ。

すっかり小洒落た都会人になった(つもり)俺様は、いくつもあるVivecの他の建造物にも探検の足を延ばした。


そして半日後(マジ)


出口どこだよ〜(涙目)

だたっぴろいVivecですっかり迷子である。 地図を見れば方角くらいわかるのだが、階段と通路がフクザツに入り組んでいて、どうも1Fというか、外部に通じてるはずの「外の1F」に出られないのである。 
Hlaaluと表示されるので、最初のForeign Quarterという建物にすら戻れていないことだけがわかる。

すでに最初の建物に戻る道すらわからず、探検中にあちらの商店、こちらの民家、と物をくすね歩いたので荷物もいっぱいいっぱいの重さで肩にくいこんでくる。 

マヂで建物の中で遭難・・・・・・・・・? 
このまま飢え死するのはイヤ過ぎる・・・。あぁ、故郷のOdus島でQeynosみやげのマフィンをもう一度食べたかった・・・。

わけのわからない前世の記憶を走馬燈のようによみがえらせている頭にふと名案が浮かんだ。

誰かに聞けばいいじゃん。


なぜ今までこの考えが出てこなかったのか摩訶不思議だが、即実行に移す。

そこらで一番豪華な装備の警備兵らしき人を選んで話しかけてみる。

あの〜スミマセンが出グチハドチラデ



Where did you get that!
貴様どこでそれを手に入れた!
The armor you wear is sacred to our Order.
それは我らにのみ許された神聖なる装備である。
You shall be punished with blood!
盗人は死を持って償うべし!


ぐぐぐぐぐGoodbyeッス!

鬼のような顔で追いかけてきた警備兵をなんとか巻いてドアの反対側に転げ出る俺様。

あ〜、死ぬかと思った。 なるほど、さっき妙に鍵の緩い箱から不釣り合いな装備一式が手に入ったのでウハウハと着込んでいたのだが、あの人たちの制服だったのか。
そりゃバレるわな。



これ以上しばかれてはかなわないので、盗んだ豪華装備を外して鞄に放り込む。

ローブ一枚となりどこから見ても普通の旅行者だ。

さてもう一度。

あの〜スミマセンが出グチハドチラデ


Where did you geガゴガゴ★★

Goodbye!



またしても死ぬほどしばかれました。 問答無用です。

しかたがないので装備一式(盗品)を廊下の隅っこに置くことにする俺様。
後で回収にくればいいもんね。 さて、

あの〜スミマセンが出グチハドチ


Where diガゴガゴドカバキ

Goodbye!



またしても死ぬほどしばかれました(リピート)。

まったくわけがわかりません。

盗人だからだ・・・ってそうじゃなくて何故バレるのか。
魔法でも使ってるってんだろうか。

魔法・・・・魔法・・・・・・魔法・・・・・・・・・、あ、俺様最初の建物にMarkしてるじゃん!

速攻でRecall詠唱。
焦ってついうっかりわけのわからない召還呪文(持ってないけど)を口走らないように気をつけつつ詠唱完了。
シュィ〜ン


ワープが終了するとそこは最初に入った建物。 夢にまで見た外へ通じる階段も見えます。

やったよママン! とほとんど泣きベソ状態で走り出す俺様。
ここまで帰って来た以上急がなくってもいいし、また迷ってもRecallすれば戻ってこれるし、といった賢い考えはまったく浮かばず、逃げるようにしてSeyda Neen行きの蚤バスに飛び乗る俺様。

せっかくのオサレローブも台無しってところだが、本当に都会で怖い思いをしてきて疲れ果て、爺さんの事務所の地下室で早々に眠りにつくのだった。



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