15 Sun's Height (Day 1640)



中に入っても、さすがに氷の城。 寒々としてるなー、というか誰もいないじゃんよ。

あ、チビッコ1人めっけ。 おまえか反乱してるのはーーー。








You are here!
おぉ!ついにいらっしゃいやしたか!




んーーーーーーーーーーーーー・・・


えぇ!?














The master told me there would be one coming! You must help. Krish is trying to take control of the castle. He has found nasty grahl to help him! You must kill them all! My master will be pleased! Your master will be pleased. Go now, through the Banquet Hall to the caverns. They wait down there! Go now or the master will not be happy!

ご主人さまが、あなたがお越しになるとおっしゃってましたんやす。 手を貸してくださいませ。 Krishが城を乗っ取ろうとしとるのです。 汚らわしいGrahlに協力させとるのです。 奴らを皆殺しにしてくだせぇませ! ご主人さまもあなたのご主人もきっとお喜びになるです。 さぁ、Banquet Hallが洞窟につながっておりますです。 奴らはその洞窟にいるでやす。 ご主人が短気を起こす前にさっさと向かってくだせぇまし!





あー、そか、お前は反乱側に与してなくて、そんでそもそもの城主(カバ疑惑)が俺様のご主人とやらの手下かオトモダチなわけか。


・・・は〜ぁ。



成り行き上とは言え、ついにチビッコの使いっぱかよ・・・とがっくりうなだれる俺様をDulkが不思議そうに見上げてくる。 ま、いっか。 とりあえずお使いを済ますかな。 えーと、洞窟とな。 んじゃ下か。














Dulkにお出迎えされてしまった廊下から右下に下がると、そのHallだった。 っていうかギャース! お留守番部隊はこぞって寝返っていたらしく、チビッコにモミクチャにされる。 アイタタタタタタ、おまえら数に物言わすなーーー。



しかしいくら数が多くても所詮チビッコはチビッコ。 盲滅法に腕を振り回すと爪がザクザクとヒットし、やや危なかったものの片づけることができた。



ここが城の大食堂らしくチビッコのお食事発見。 こんなもんばっか食ってるから大きくなれないんだぞーと納得。 カルシウムは豊富そうだが、なんつっても食事はバランスが大切だし、うんうん。
















Hallの奥の物置らしき場所を覗いてみると、おぉ、洞窟への入り口発見。




本来は物資の搬入口なのかな?



ってデター!



牛怪人の指令つーか送ってきた映像が曖昧すぎたので、自分が対峙しているのが留守のはずの城主なのか反乱軍なのか一瞬迷ったが、つまりコイツがDulkの言っていたGrahlか。 うっしゃー、とりあえず殺ったるぜーーーー!!



かかってこんかーい




ガシュガシュガシュ






ゴスゴスゴスゴス






がはははは、どうだまいったかチクショー。














狼の姿で闘う事にもだんだん慣れてきたっていうかキモチ的に抵抗が無くなってきた俺様が、結局「いや、どう見ても搬入口じゃねーよな」ってことが判明した氷の洞窟をどんどん進むと、前方からチビッコがやってきた。 まっすぐ俺様に向かってくるのでDulkが追ってきたのかと思ったが、いきなり斬りつけてきやがった。



ザクザクドシュドシュ



コラー!おまえがいらんことしいのKrishかー!!





ったく、俺様の手をわずらわすんじゃねーーー。 俺様、今んとこ


自分の問題だけで手一杯



だっつーの。  






Krishがやってきた方向に行ってみると、こっちはどんづまりだった。 本拠地とか無いっぽい。 むー、立てこもってただけなのか。 しゃーない戻ろ。 てか、俺様ナチュラルに犬かきで泳いでいますよ。 この身体になじみすぎです(涙)。 泳ぐ姿とかこっちの方がカッコイーカナーとか思い始めててるしさ・・・。




そんな心の中の悶々を抱えながら氷の洞窟をぐるぐると周り、元のHallへ戻った。 Grahlも全部退治できたらしいし、これで終わりかな?
















You stopped Krish, and that is good. Grahl are gone. Krish is gone. Nasty grahl. Nasty Krish. The master will be pleased when he comes home. Your master will be pleased you have helped Dulk! Good good! Now go. Dulk has much to do before his master comes back. Go!

Krishは死にやしたか。 ありがたいこってす。 GrahlもKrishも片づいてめでたしめでたしでやす。 ご主人さまもお喜びになるです。 あなたのご主人も、あなたがこのDulkの力になったことをさぞお喜びになるでやしょう! ささ、Dulkは忙しくなるです。 ご主人が戻ってくる前にあれこれ片づけておかなくてはならないのでやす。 ささ、もうお帰りになってくだせぇ!





Dulkはそう言うと、そそくさと辺りを片づけ始めた。 俺様のことはすでに「掃除の邪魔」としか見えてないようだ。 くぅぅぅう〜チクショォォォ。 下っ端はツラいぜ。




しかし、実際にこれ以上長居してもすることは無い。 うん、確かに。 こんなカッコの俺様が掃除を手伝えるわけもないし。 つーか今度は掃除手伝えとか言われたら俺様多分ちょっぴりキレるし。



しょーがねー、帰るとするか、と外に出て家路をひた走る。 魔法が使えれば砦までひとっ飛びなんだけどなー。 まー、四つ足で疾走するのキモチイーから、ま、いっかー。



いやいやいや、早くこの病気治さないとッ!





マジに脳ミソまで人狼病が回ってきているような気がしてならない。 ダメだダメだ、このまま夜ごとに変身するなんて、いつ誰にバレるかわかったもんじゃないし、この調子だと思考まで人狼化して



殺人人喰いバッチコーイ




になりかねない。 早く・・・早く治療法を見つけてなんとしてでも元に戻らなくては〜。













しかし今は四つ足の獣の身。 長く突き出た鼻と口でハフハフと息をしながら疾走していると、いきなり目の前が暗くなった。


自分の物ではないかのように動かなくなる手足。

暗転する視界。

意識が遠くなり、また辺りの物音がハッキリ感じ取れるようになった。





夜が明け、人狼の時間が終わったのだ。




城の中にいる間にすっかり失念していた日の出は、幸いにして俺様が人里離れている時にやってきた。 しかも大きな岩の影で変身が起こった。 だから誰にも見られてはいないだろう。


問題は、この幸運がいつまで続くかという点だ。 いずれ変身の現場を誰かに見られてしまうだろう。 いや、人狼化がいつまでも夜間限定かどうかもわからない。 誰かに見つかって大騒ぎになる前に、なにより100%人狼化して俺様自身がこの地の驚異となってしまう前に、元に戻る方法を見つけなくては。





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