27 Mid Year (Day 1621)



Ingmarと別れ、そのまま俺様は北を目指した。 この辺りからは、島に来たばかりのときにぽっちり探索した場所だ。 そして、その時俺様はステキな約束をゲトしていたのだ。

今ここに時は来たれり!材料ヨシ!!お小遣いもヨシ!!!

何か抜けたりしてないよな、と懐から出したメモも読み返す。 オールオッケー!!

日が暮れて薄闇に包まれ始めた景色の中をウキウキと走ると、だんだん足元が凍った雪混じりの土から、表面だけ固くて、そのくせ足がズボズボ埋まる雪原へと変わってきた。 つまり目指す場所、Thriskがもうすぐってわけだ。


ちわーーーーーーー、たのもーーーーーーー。




そう、この、Brynjolfrさんは毛皮職人。 前回俺様がThriskにお邪魔したときに、オーダーメードの防具の値段表をくれていたのだ。 ただし、何でもお金で手に入る大陸のお店じゃないんだから材料は持ち込み必須。 その時まだ島の生き物もほとんど目にしていなかった俺様はそんな材料など持っているはずもなく、涙を飲んで値段表だけをもらって帰った。 だがしかし! すでに島南部をうろつきまわって約20日が経過した今、俺様の懐にはその材料がしっかりと確保されているのだ。 お金はもちろんFalcoからのお給金。 実は材料もFalcoからの任務のついでに手に入ったのでFalco様々だ。

俺様は心の中でちょっぴりだけ、ヒソカにFalcoに感謝すると、早速Brynjolfrさんの目の前に毛皮を広げ、小袋にとりわけた仕立賃をその上に置いた。




You bring me the snow bear pelts and gold, and I'll make a piece of custom snow bear armor. I'll have it ready in twenty-four hours. You've got my list of prices and pelt requirements. Which piece of armor were you interested in?

あぁそうだよ、白熊の毛皮を持ってきて相応の仕立賃を支払ってくれれば、オーダーメードの防具を作ってあげられる。 24時間で仕立て上がるかな。 うん、毛皮はこれでいいし、仕立賃も十分足りているよ。 どの部位を作ってほしいのかな?



んもー、やだなBrynjolfrさんったら。 白熊グッズと言えばアレしかないでしょうアレ!


と、若干過剰なほど興奮した俺様から、苦笑しつつも注文を受け取ったBrynjolfrさんは、早速毛皮の表を解かし付けて整え、俺様がざっくりはぎ取っただけの裏をナメして裏打ちが付けられるように加工し始める。

じーーーーっと24時間見ていたいがそれも迷惑だろう、と珍しく気の利いたことを思いついた俺様は、Thriskに泊めてもらうことにし、周りで適当に狩りをしてからThriskの連中と大酒をくらってぐっすり寝てしまった。











そして、丸1日とちょっと過ぎた朝。


じゃーん。 白熊帽子〜。




Norrathで前世を過ごさなかったヒトにはナンノコトヤラで申し訳ないが、とにかく白熊帽子である。 数年越しの夢が今ここにかなったのだ!




踊る胸を抱えてThriskの連中にしばしの別れを告げる。 今日は晴れてるとはいえ辺り一面の銀世界。 吐いた息がそのまま凍ってキラキラと輝くような気温だが、もう俺様の耳は寒くない! ホッペも首筋もフカフカのホカホカなのだ。 うーん、至福の時。








ステキアイテム入手にウキウキの俺様はそのまま雪原を疾走する。 昨日までは速く走れば走るほど、風が俺様のペラペラの耳に当たって痛いほど冷たくなっていたのだが、今日からはもう大丈夫。 草も木も立ったまま凍ってるのに、俺様だけはヌクヌクなのだ。 氷の世界を暖かい身体で走り抜けるというのがたまらなくウレシクてハイになった俺様はさらにまっすぐ走る。



なんかもうヤバいんじゃないかってほどテンションの上がった俺様は、ふと気が付くとカラフルな家々の間に走り込んでしまっていた。 げげ、住人らしきヒトがこちらを思いっきり奇異の目で見ている・・・。 このままではまごうことなき不審者だ。






ひとまずそこらの家・・・に逃げ込んだら、もしかしなくても完全に不審人物兼不法侵入者だ。 ぬぬ、酒場みたいな公共の施設がないもんかな・・・とキョロキョロ見回すと、なんだか見覚えのある表札が目に入った。






おんやー? Ingmarんちじゃん。 ってことは、あーーー、ここSkaalの村か。

んじゃついでにIngmarの顔でも見ていくかな。 広場の反対側から集まる視線も避けられそうだし。

そう思った俺様は、ガッシリと重いIngmarの家の木扉を押し開けた。




次のページへ

TOPへ戻る