12 Mid Year (Day 1606)





Thirskの皆さんと楽しい一夜を過ごして身も心も軽くなった俺様は、Fort Frostmothへ戻ってきた。 Carnius Magiusとの約束までは丸一日余っちゃったので近辺の洞窟をチョボチョボ探索してみたが大した収穫もない。 退屈だし、これからもこんな感じで時間が余ることはあるだろうし、ってことで、一念発起してFort Frostmothの側に家を建ててみた。 この地で冬を越すほど長居するつもりはないが、かといって連泊野宿したらそのうち凍え死んじゃいそうだし。



風よけを兼ねてBerryの木を植えたり、雪が積もっても火に不自由しないように薪を蓄えたりしていたら、約束の3日目まではあっという間に過ぎた。

あんまり早くても迷惑だろうし、という気を利かせて、午後遅くにCarniusの事務所の扉を叩いた。





I personally don't have anything for you, but I understand Falco is having some sort of problem out at the site. Doesn't surprise me in the least. Go out there and see what's going on, will you?

私の所には今のところ仕事は無いのだが、Falcoが何やら問題があるようなことを言っていたよ。 まぁ入植地に問題は付き物だがね。 どうかね? Falcoの所へ行って状況を見てきてくれないか?



同じ会社のFalcoさんから問題発生の連絡が来てるというのに「自分と関係ないもんね」モードのCarniusさんにはちょっと呆れちゃうが、何か俺様が役に立ちそうだというならちょうどいい。

さっそく次の船に乗ってRaven Rockを目指すことにした。











向かい風が強いせいか、Raven Rockに着いたのは夕方近くだった。 んで、着いてみてビックリ。 夕日を受けて輝く凍り付いた大地の上に、着々と村が建設されつつあるのだ。 丁寧に積み上げられた堅焼き煉瓦や慎重に組み合わされた梁と柱が、新しい村の誕生を誇らしげに告げている。

うひょ〜、すごいじゃん、と見回すともう完成している建物まである。 Raven RockはFort Frostmothよりちょっとくらいしか北じゃないのだが、この辺りから本格的な冬島気候になるんだろう。 屋根には雪が積もった跡があり、端っこの方ではツララがバリバリと出来ている。 暖かいところ育ちの俺様には何もかもめずらしいの連続だ。

新しい建物をグルリと迂回して村の中央付近まで歩いていくと、ちょうど外に出ていたFalcoにバッタリ出くわした。 


やっほ。 何か問題事があるんだって?




Everything is on hold while Hroldar the Strange is blocking the door. We need to get rid of him.

Hroldar the Strangeが扉を塞いでいてね。 それで作業全部が止まってしまっているのだよ。 奴を何とかしなきゃならんのだ。

Confound it all. I had hoped Carnius wouldn't catch wind of our situation. I had things under control until recently... It's this crazy Nord. Hroldar the Strange, we've taken to calling him. He's been hanging around for a while, ranting about how we're ruining the land, and if we don't stop, we'll incur the wrath of Nature itself. He was simply a nuisance, but now it's apparent we have to get rid of him.

まったく困ったことになったもんだよ。 Carniusの耳に入らなければよいのだが・・・。 奴が来るまではすべて上手く行っていたのに。 それがさっき言ったイカレNordのHroldar the Strangeのことだよ。 どこからともなく現れて、ここの入植事業がいかに自然を破壊しているかを大声で叫びまくるのだ。 私たちが作業を止めなければ、そのうち大自然の怒りに触れてバチがあたるというのさ。 まぁそれ以上のことは何もしやしないが、迷惑だから出ていってほしいのだがな。





どこにそんな迷惑野郎が? と聞くと、Falcoはすぐ後ろの建物の入り口を指さした。 うぉ、すこぶる近距離じゃん。 あいつを追っ払えばget rid of himいいのか?



I'm sure that Carnius just wants him killed. Anything standing between Carnius and his profit deserves a death warrant, so far as he's concerned. But I can't be that harsh. I feel sorry for this poor man. It's clear his own people have abandoned him (though I can certainly understand why). I ask that you don't hurt him, Lenne. Try to reason with him. Failing that, come back and talk to me, and we can work something out.

うむ。 まぁCarniusなら奴を殺してしまえと言うだろうがな。 何しろ自分の利益を邪魔する物には容赦しない奴だからな。 だが私はそこまで残酷にはなれない。 Hroldarに哀れみさえ覚えるよ。 ああやって一人で彷徨いていると言うことは、自分の部族から追放でもされたんだろうし、その理由もここでの振る舞いを見てると大体想像がつくしな。 Lenneくん、どうか彼にケガをさせずにここから立ち退いてもらってくれないか。 まずは説得して欲しいのだ。 もし君の言うことに聞く耳を持たないようなら、一旦私に相談してくれたまえ。 その後のことはまた考えよう。



まさに石を投げれば当たるような近距離で、しかも荒事ではなく説得しなくちゃいけないという条件付きなら、何で腰から大剣をプラプラさせている俺様に頼みますか? とは思ったが、頼まれてしまったものはしょうがない。 こういうのも下っ端くんの仕事なんだろう。 冬島の残り少ない陽射しの中、サクサクと雪を踏みしめてHroldarの所に交渉に向かった。 うん、ホント息止めても行かれるほどの距離のお使いなんて初めてなんだけど。





Sent you to talk me out of this, have they? Those devils won't be rid of me so easily! Talk all you like, Khajiit. The curse I place on you will be all the more painful for it.

彼奴らめ、今度はお前を説得によこしたのか。 邪悪なる者共にそう易々と説得されたりはせぬぞ! Khajiitめ、好きなだけ言いたいことを唄うがいい。 その報いとして呪いをくれてやる。 ここの者共にかけたのより一段と効き目の強いのをくれてやるからな。



呪い? どんとこいや。

イキナリ喧嘩腰に出られたもんだから短気な俺様はついでにザクリと行ってしまいたい度120%になったが、それではせっかくFalcoがこれまでしてきた我慢が無意味になってしまう。 ち、しゃーねぇなぁ、とFalcoの元へ相談に戻る。

あぁもうまだるっこしい、いつの間にか日も暮れてるしさ・・・。






Is he really that stubborn? Fine. I don't have time for this. We need to get in there and finish our work. You have my permission to rough him up a little bit. Bare fists only; no weapons, no spells. Are we clear? I want him to understand he's not welcome here; I don't want him dead.

そんなに頑固なのかね? それならこちらにも考えがある。 もうつきあってはいられないしな。 奴を追い払って作業を再開しないと間に合わない。 ではいいかね、ちょっとだけ手荒な方法に訴えよう。 彼をとっちめてくれるといい。 ただし素手でだけだ。 武器を使ったり魔法で攻撃するのはやめてやってくれ。 わかるね? 彼がここで歓迎されてないと思い知らせてやるだけで良いんだ。 間違っても死なせてくれたりしちゃ困るよ。



う〜ぃ。 わかりまったー。 とまたまたHroldarのいる扉の前に戻る。 こんな距離なんだからFalcoも自分でくればいいのにさ、まったく。










I'll not give in to you! Cease this violence before you bring death and destruction on yourself!
お前なんぞに負けるものか。 痛い目を見る前にさっさとその拳を収めた方がいいぞ!



Hroladarはグーを握りしめて近づく俺様を見てキーキーとわめいてきた。 まぁ俺様のまん丸な天然毛皮付きの拳ではよっぽど力を込めてもケガなんかしないだろうから遠慮なくいかせてもらう。 その意味ではFalcoの人(猫)選は正しかったって事かな? まぁいいや。

パフン

モフン

パフン

モフン

パフン

モフン




OW! Okay, okay. I'll go away - just stop hitting me! Just give me a minute to collect myself. I promise I'll be gone the next time you come back. Oh, that's going to leave such a bruise...

わかったわかった! 出ていくからそれ以上叩くのはやめてくれ。 荷物をまとめたらすぐに立ち退く。 約束する。 どこか遠くへ行くとも。 まったく傷が残ったらどうするんだ。







やっとその気になったかい、と拳を収めると、Hroldarはそそくさと扉の前を明け渡し、近くの森の中へと去っていった。



やれやれ、良かった。 元気にスタスタ歩いてるから大した怪我もないようだし、Falcoの望み通りに片が付いたってことか。








Good work, Lenne. I appreciate you not being too harsh with him. Things can get back on track now, and not a minute too soon. Take the news to Carnius, will you? And here, take this. It's not much, but I like to reward those that can follow orders.

よくやってくれた、Lenneくん。 君が奴にヒドくあたらなかったことを私からも感謝するよ。 これで作業も再開できる。 問題が解決したとCarniusにも伝えておいてくれないか? おぉ、そうだ。 少ないが取っておいてくれたまえ。 たくさんの報奨は出せないが、君の働きはしっかり覚えておくよ。


じゃらりーーーーーん。


少ないが、と言いながらFalcoが俺様の手に乗せたのは、ひぃふぅみぃ・・・100gold金貨10個。 つまり1000goldだった。 久しぶりの大口収入! てか大丈夫なのか俺様にこんなに払っちゃって? てかColonyの事業ってそんなに上手くいってるのか??

もらった物を返すのも失礼だから、ありがたくこの大金を頂戴することにする。 うむむ・・・「これからもよろしくね料」も込みなんだろうか? そーなると軽々しく受け取ったのはマズったか? いやしかしあのタイミングで渡されてはいりませんとも言えないし・・・(悶々煩悶)




ま、いっか。


とりあえずCarniusに報告に行かなくちゃ。








So it's been dealt with? Shame that you didn't just kill him outright, but fair enough. As long as the work can continue. Good job, Underling.

問題は片づいたのかね? 作業の邪魔をする奴など殺してしまえばよかったのに。 まぁ問題が片づいたのならそれでも良しとしよう。 事業が進められるのなら文句は言わんよ。 よくやってくれた。



CarniusさんがFalcoさんの予想通りの答えをしたのにはちょっと笑ってしまったが、よくよく考えると、文官なのに物騒な事を言うヒトだ。 ますます怪しい会社と怪しい支部長さんだ。 俺様のあんましったこっちゃないけど。


で、他に任務はありますかな?



There's no work for you right now, Underling. Check again in a few days.
今のところ何もないな。 また何日かしたら顔を出してくれたまえ。



オッケー。 他に行くあてもないし、氷河地帯に出向くにはまだまだ準備不足だ。

俺様は新築の我が家でぬくぬくと数日休養をとることにした。







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