それは、俺様がメイジギルドの地下工房でいつものようにコリコリと薬草をすり下ろしていた時の事だった。 ギルドの皆さんっていうかオバチャンたちが花を咲かせているゴシップの1つが俺様の大きな三角耳に入ったのだ。 |
I heard there has been some trouble up at Fort Frostmoth. Never heard of it? It's on an island called Solstheim north of Vvardenfell. ・・・・そうそう、何でもFort Frostmothで面倒が起こってるらしいんじゃがな。 おや、Fort Frostmothを知らないのかい? Vvardenfellの北にあるSolstheim島にある砦じゃよ。 |
こら待て〜い。 聞いたこともないゾ、そんな砦も島も。 俺様はあわててSharnさんたちのうわさ話に割り込む。 北って言うとDagon Fellのあたりなのか? 面倒事ってナニナニ? おもしろそうじゃん。 |
I've heard of the place. I believe there's an Imperial fort up there. Fort Frostmoth, or something. If you want to go there, check around in Khuul. There may be a ship that'll take you. いや、ワシもImperialの砦があるということくらいしか知らぬよ。 Fort Frostmothで名前は合ってたはずじゃが・・・。 行ってみたいのならKhuulで誰かに聞くとよいぞ。 確かあそこからなら船が出ていたはずなのでな。 |
ほへーーーー。 Khuulから船がね・・・・。 これはもう行くしかないだろ。 ってことで、俺様はマッハで薬草をすり下ろし終えると、ウキウキとギルドの扉から飛び出した。 目指すは蚤バス乗り場。 そしてKhuulの港だ。 |
That's the frozen island up to the north, right? Sounds awful to me. If you're looking to get there, you might check for transportation in Khuul. あのクソ寒い島かい? 北にあるアレだろ? よくそんな所に行く気になるもんだよ。 まぁどうしても行きたいってなら、Khuulで船を探してみるんだね。 |
Khuulに来る道すがら、蚤バス乗り場のオッチャン達にもSolstheimの事を聞いてみたが、誰もあんまりよくは知らないようだった。 まぁKhuulから船が出てるって事はどうやら間違いないようなので、俺様はあんまり深く考えずにバスに揺られてKhuul着を待つことにした。 そしてKhuulの港のおねいさんにSolstheim行きの船賃を聞いてみる。 あれ?と目をシバシバさせて料金表を見るが、Gnaar Mok行きの南回り航路とDagon Fel行きの北回り航路しか載ってない。 んじゃSolstheimってのは? 俺様もしかしてどっかで騙されてますか? 今日って別にRain's Hand Fools' Day(4/1)とかじゃないよなぁ・・・。 せっかく乗り物酔いをこらえてKhuulまで来たのに〜とちょっぴり悲しくなっちゃったその瞬間、思いっきり耳障りな巻き舌ボイスがKhuulの狭い桟橋に響いた。 |
Hurry, hurry! Last boat to Solstheim! Solstheim行きの最後の船を出すぞー。 早くしないと乗り遅れるぞーー。 |
おおぅ! そっちかい!! と遠心力でよろけるほどの勢いで振り向く俺様。 Solstheim行き最後の便とあっては乗り遅れるワケにはいかない。 慌てて呼び声のする方に走り出すと ・・・・・・Khajiitでやんの。 いったいドコで生まれ育ったらそんな巻き舌になるんだ? と一瞬思索する俺様の目の前でそのKhajiit、S'virrは再び呼び声を港に響き渡らせた。 |
Hurry, hurry! Last boat to Solstheim! Until the next one. Hah-ha-hah. Solstheim行きの最後の船を出すぞー。 早くしないと乗り遅れるぞーー。 乗り遅れたら次の船に乗るハメになるぞーーー。 |
どこが「最後」だよ、どこが。 と一瞬ムッとしそうになったが、気を取り直してS'virrと交渉を始める。 なんのことはない、フツーの間隔で定期便が出てるってことですぐに乗船できた。 |
船がKhuulの港を離れてほどなく、俺様の肉球はSolstheimの桟橋を踏みしめて立っていた。 Vvardenfellからの距離はそれほど無いみたいだが、冷たい海流でも流れ込んでいるのだろう。 吹き付ける潮風は冷たく、その風が渡る木々はトゲトゲしいいかにも北の国〜、な種類だった。 砂漠生まれ砂漠育ちの俺様としてはンモー願ってもいない異国情緒てんこ盛りである。 それにさぞかしめずらしい薬草も生えまくりの採りまくりでーーーーーーーっと桟橋を走りだした俺様はとたんに足を滑らせて下の海へ転落してしまった。 ってスゲェ! 白いAshYamみたいな何かがいるよ! 見たこと無いし!!! ガブリ★ その白いデブちんは、俺様の物珍しさに溢れた友情は感じ取ってくれなかったらしく、遠慮なく噛みついて来た。 まぁ水の中でお昼寝かましている所に上から落ちてきた俺様が全面的に悪いわけなので、あわてて桟橋の上へよじ登る。 あらためて見回すと、デブちんと同じ種類の奴はあちこちにいるし、目の前には噂のFort Frostmothらしき立派な砦が見え、Imperialの皆さんがガッシュガッシュと鎧をきしませながら巡回している。 ヌフフフフフ・・・。 これはもう冒険の予感たっぷり俺様テンション上がりまくりである。 さっそく情報なりと仕入れようかな。 ちょっと寒いのに袖無しで来ちゃったから暖かい服も欲しいし、長居するなら宿も欲しい。 できれば一杯引っかけるトコも。 そんな思いで毛深い胸をパンパンに膨らませ、俺様はウキウキとFort Frostmothの正面ゲートをくぐった。 |